東京医科歯科大学の研究チームが開発:がんの骨転移を自動検出するAIモデル、専門医と同等の精度を実現

日本の研究チームがCT画像から「がんの骨転移」を自動で検出可能な新たなAIモデルを開発しました。このAIモデルは、整形外科及び放射線科の専門医と同等の検出精度を示し、若手医師の画像診断の精度を向上させることが確認されました。研究成果は、東京医科歯科大学の研究グループによって発表されました。

研究では、2016年から2022年にかけて東京医科歯科大学病院で撮影された255名のがん患者のCT画像データ(計5991スライス)を使用し、骨転移ありと骨転移なしのデータをAIモデルで学習しました。このAIモデルは「DeeplabV3+」を利用しており、教師データとして複数の専門医の合意に基づいた手作業でラベル付けされたデータが使用されています。

開発されたAIモデルは感度0.78、陽性的中率0.68を達成し、これまでに他の施設で開発されたAIモデルと比べても遜色のない結果が得られました。さらに、12名の読影医(専門医6名、若手医師6名)による読影試験では、AIモデルの使用によって読影精度が向上することが示されました。特に、若手医師がAIモデルの予測結果を参照しながら2度目の読影試験を行った際に、その精度がさらに向上しました。

この研究により、「がんの骨転移」を早期に発見できれば、骨折や下肢の麻痺によって生活の質が低下するがん患者を減らす可能性があるとされています。

https://medit.tech/ai-for-detecting-spinal-metastases/

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