AI(人工知能)が医薬品開発において急速に存在感を高めており、スイスの製薬大手であるロシュやノバルティスも巨額を投じてこの分野に注力している。これらの企業は、AI技術を活用して新薬の開発を高速かつ低コストで進めることを目指している。ロシュは米半導体大手エヌビディアや他のAI関連グループと提携し、ノバルティスは英ディープマインドのスピンオフ企業と共同開発を進めている。また、AIファーストのバイオテック企業やスタートアップも活躍しており、特にエンドジェナ・セラピューティックスが網膜色素変性症の治療薬候補を臨床試験中である。AI技術により、医薬品開発の時間とコストが大幅に削減される可能性があり、過去10年間でこの分野への投資は180億ドルを超えた。一方で、AIによる創薬の成功率やその有効性についてはまだ議論の余地があるが、製薬企業はこの新たな技術を積極的に取り入れている。